業務改善を行う上で知っておきたい「見えるコスト」と「見えないコスト」の違い、見えないコスト削減の重要性についてお伝えしています。
人件費は企業におけるランニングコストとして、最も意識すべきコストの1つです。人件費には基本給の他にも残業代や各種手当、社会保険料など様々なものが想定され、人材マネジメントの効率化や見える化によって注意すべき点を再確認できます。
事務所の家賃や光熱費、またOA機器のリース費用やメンテナンス費用など、オフィス業務を維持するためには様々なコストが発生します。そのため、どのようなコストが発生しているのか具体的にチェックすることが大切です。
新しい人材を獲得するための採用活動には様々なコストが発生します。求人情報誌や求人サービスへの掲載コストや面接や入社試験などを実施するためのコスト、また従業員が通常業務を止めて採用活動に従事する場合、本来であれば得られていたであろう逸失利益についても意識することが重要です。
企業活動において欠かせないコスト削減ですが、実は企業で発生するコストには「見えるコスト」と「見えないコスト」の2つがあります。
端的にいうと、見えるコストは「お金」、見えないコストは「時間と手間」です。一般的にコスト削減というと、より家賃の安い事務所に移転したり、安い通信会社に切り替えたりするなど、見えるコストの削減を行うことが多いのではないでしょうか。しかし、実際には「見えないコスト」を削減する方が、企業に大きな成長をもたらす可能性があるのです。
見えるコストとしてリストアップできる費用は、基本的にサービスや人、ものに対して支払っている費用であり、業務の維持に直接的に必要なコストといえます。
そのため、コスト削減を考えた際にも、即時的に効果を発揮させられる見えるコストは真っ先に削減対象に挙げられる可能性が高いでしょう。
しかし、事業にかかるコストには「見えないコスト」も存在しており、見えるコストの削減や見直しだけで満足していると、抜本的なコストパフォーマンスの向上を進めることが難しくなります。
また見えるコストを安易に削減することで業務負担が増大し、結果的に生産性の低下や労働意欲の低下を招くリスクもあります。
見えないコストとして考えられるものの1つが、従業員が仕事をする上で負担している作業量や業務量です。
例えば取引先へ見積書や請求書などを送る際、それぞれのデータを紙に出力して封筒へ入れ、ポストに投函しに行くといった作業が日常的に行われているとしましょう。その場合、事業収入へ直接的に貢献しない作業量が常に発生していることになり、生産性を低下させる原因となります。
このような見えないコストは電子化やシステム化の導入で削減できる可能性があります。
見えないコストとして作業量と同様に意識すべきなのが、それぞれの業務にかかっている時間です。
例えば経理担当者が毎日、指定の時間に銀行へ行って入金作業を行っているとします。その際、往復の移動も考えると平均して毎日1時間の作業量が発生していると考えられます。
言い換えれば、アナログな入金作業を続けることによって、経理担当者の1時間分の作業時間が日常的にロスされていると考えられることがポイントです。
見えないコストを削減するには、時間と手間の削減、つまりは業務の効率化を行います。見えないコストを削減することで、企業の成長に欠かせない人的リソースの確保ができます。具体例を挙げると、見えないコストの削減には次のような方法があります。
これはほんの一例ですが、このように業務効率化により見えないコストの削減を行うことで、コア業務にあてる時間を確保できます。従業員が100名いる場合、一人あたり1日30分の作業を削減すれば、一ヶ月で1,062時間もの時間を捻出できます。1,062時間というと、社員2名分の一ヶ月の労働力に匹敵します。
新たに従業員を雇うよりも、経験豊富な社員に働いてもらう方が、より高い利益が望めるでしょう。見えるコストの削減では、単にお金の確保しかできませんが、見えないコストの削減を行うことで、コア業務にあてるマンパワーが増大し、企業の大きな成長が望めるのです。
業務改善を行う上では、見えるコストと見えないコスト、両方のコストに目を向けることが重要です。見えないコストの削減をするためには、金銭的なコストだけでなく、品質や人の動き、時間を含めた社内全体の業務を見直す必要があります。自社だけで取り組むのが困難な場合は、業務改善コンサルタントに依頼すると良いでしょう。
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