医療業界における業務改善のポイントと、実際に業務改善された事例をご紹介しています。
診療科を問わず、クリニックや病院は常に多忙です。医療業界における人材不足も深刻化していることから、何らかの方法で業務改善を図ることは急務です。
以下2点を見直すだけでも、医療機関の業務は大きく改善するでしょう。
カルテを含めた院内文書を、PDFファイルなどの電子媒体で管理します。同時に、電子媒体と電子カルテシステムを連携させます。
医療機関における大きな業務負担の1つが、紙ベースで作成された院内文書等のスキャン作業。電子媒体で管理することで、紙ベースで作成する手間もスキャンする手間もかからなくなります。
また、電子媒体を電子カルテと連携させれば、スキャンした情報を電子カルテに転記する工数も削減されます。
インターネットを通じて診療予約できるシステムを導入します。あわせて、タブレット端末を利用した問診システムも導入すると、なお業務が効率化します。
電話による予約システムを基本とする医療機関では、どうしても電話対応や予約日時の調整などに追われるスタッフが生じます。これらの業務をインターネットによる予約システムにすることで、予約関連業務が大幅に改善するでしょう。人為的ミスによる重複予約もなくなるため、予約絡みのクレーム対応に対する時間も削減されます。
また、タブレット端末による問診システムと電子カルテを連携させれば、問診業務やカルテ作成業務の負担も大きく軽減されるでしょう。
三重県松坂市にある総合病院において、看護業務全般の効率化を図るため、近距離無線通信連携機能(NFC)を搭載した機器を導入しました。導入の具体的な目標は、「記録時間の削減」「輸液ルートの院内統一化」「輸液ポンプ警報の削減」でした。
結果として、いずれの目標に対しても一定の業務効率化が実現しましたが、とりわけ大きな成果となったのが「記録時間の削減」におけるバイタルサイン記録の効率化です。
システムを導入する前、同院では、バイタルサインの測定と記録に際して「手書きでメモを取る」「カルテに手入力する」というアナログな作業が行われていました。多忙な看護業務の中、カルテ入力が後回しになることもあり、入力遅れによる医師からの問い合わせ対応も看護業務を圧迫していました。
近距離無線通信連携機能(NFC)を導入後は、NFCリーダーにタッチするだけで瞬時に電子カルテへ測定値が反映。1回の記録に2分かかると仮定すると、院内全体で実に年間800,445分もの時間削減が実現したとのことです。
※参照:看護業務の効率化 先進事例アワード 2022(https://kango-award.jp/nurse-cms/wp-content/uploads/2023/03/2.pdf)
東京都江東区にある従業員数90名の訪問看護リハビリステーション。利用者の増加に伴い、看護師の業務量や残業時間が年々増加傾向にあり、特に残業対策は急務と言える状況まで追い込まれていました。
残業が増える最大の理由は記録業務。訪問看護の現場から事務所に戻り、疲労の中で当日訪問した5~6件の記録を作成することは、訪問看護師にとって大きな負担でした。
残業時間の削減をめぐって意見交換した際、一社員が「音声入力アプリの導入」を提案。訪問現場でスマートフォンに向かって音声で状況を記録し、そのままカルテに転記されるシステムが検討されることとなりました。
実際にシステムを稼働させたところ、当初は公共の場で独り言を言うような状況に抵抗があった看護師もいたものの、その利便性の高さが勝り利用する職員が増加したとのことです。
訪問先から事務所に戻った看護師は、すでに音声から自動入力されている電子カルテの文書修正を行うのみ。カルテを一から作成する必要がなくなったことで、訪問看護職の月平均残業時間が50時間から20時間まで激減しました。
※参照:看護業務の効率化 先進事例アワード 2019(https://kango-award.jp/nurse-cms/wp-content/uploads/2022/10/d04_aoaqua.pdf)
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