運送・運輸業界における業務改善のポイントと、実際に業務改善が実現した事例をご紹介しています。
人材不足や物流量の増加を背景に、労働環境の改善が急務とされる運送・運輸業界。業務フローの見直しなども大切ですが、それだけでは根本的な解決に至らない状況になりつつあります。限られた人材で運送に関わる事務作業や荷積み・荷卸し作業を効率化するためには、業務のデジタル化・IT化を検討したほうが良いでしょう。
物流業界の業務効率化を図るITシステムが多く開発されています。これらシステムを積極的に導入することで、運送・運輸業界における業務改善につながる可能性があります。
たとえば、WEB予約システムやドライバーナビゲーションシステムなどを導入すれば、荷待ちの問題が軽減するでしょう。ほかにも、効率的な配送ルートを表示するシステムや、ピッキングの効率的な動線を算出するシステムなどもあります。
これらシステムを全社的に標準化することで、個人の経験に基づいた業務の属人化も解消に向かうため、運送業務全般の効率化が図られるでしょう。
運送に関連する事務作業をデジタル化することで事務作業担当者の負担が減り、業務改善や人件費削減等へつながる可能性があります。
たとえば受注作業においては、電話よりもEDI発注やメールを利用したほうが効率的です。また、配車作業においては、GPS連動型のリアルタイム管理システムの導入で作業が効率化します。あるいは、請求書の発送について印刷や宛名記入、ポストへと投函などを行っている場合には、メールでの請求作業に切り替えるだけで業務は大きく効率化します。
一都三県を対象に、軽貨物車を使った共同配送などを行っているS社。「どのような配送依頼の形式でも受け入れる」ことをモットーに、Excelでの依頼でもCSVでの依頼でも、圧縮ファイル化された依頼でもパスワードを設定された依頼でも、すべて受注する方針を貫いていました。
1日の配送件数は45,000件。24時間365日体制で受注対応していたものの、同社の企業規模では捌ききれないほどの受注量に達し、コンサルティング会社からの提案で業務改革を目指してRPA導入による受注の自動化を図ることとしました。
RPA導入の準備作業として、まずは受注形式の仕分けルールを標準化。メール受注における複数の分岐プロセスと50以上の仕分けフォルダを設定したうえで、RPAによりメールの仕分けの自動化システムを構築しました。
RPA導入の結果、年間3,000時間相当の工数削減を実現。「どのような配送依頼の形式でも受け入れる」という会社方針が瓦解しつつあった中、RPAによって隙間業務を自動化したことで、同社の方針が引き続き維持される形となりました。
ドライバーの荷待ち時間解消のため、山梨県にある発・着荷主、およびトラック運送事業者の三者が協力して予約受付システムを導入しました。
予約受付システムとは、物流センター等で対応可能な予約の空き時間をシステム上に複数表示し、運送業者が希望の時間を予約するシステムです。ドライバーは、この予約時間に合わせて物流センター等に向けて出発すれば、現地で荷待ちをすることがほとんどありません。
従来のシステムでは、荷待ちの先頭車両が荷物を手卸しし、その後、倉庫のパレットへ積み替える作業が行われていました。この作業を待つドライバーにとってはアイドリングの時間となるため、本来であれば他の配送に回せる時間を奪われている状態でした。
予約受付システムの導入により、予約時間に到着したトラックは荷待ちせずに、他の運送会社と共有するパレットへ直接荷卸しすることが可能に。運送・倉庫業務の全体が効率化されました。
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