ITツールを導入しても業務効率化がうまくいかない原因、対策方法、定着を成功させるためのポイントなど、紹介しています。
近年、中小企業のIT化が急速に進んでいるものの、実はなかなか定着せずに失敗してしまうケースも多いことをご存知でしょうか?ガートナー社が自社の顧客管理システム「CRM/SFA」の定着率を示した調査では、システムの導入後、定着まで成功した企業は全体の20%という結果が出ています。「CRM/SFA」はそもそも定着難易度が高いシステムではありますが、それ以外のシステムでも、失敗は一定数あることがわかっています。(2022/7/16調査時点)
便利なハズのITツールを導入したにも関わらず、なぜ失敗してしまうのでしょうか?
ITツールの導入がうまくいかない原因には、主に次の4つの理由が考えらます。
本来、ITツールは、導入後に活用することができて、初めて業務効率化という目的を果たします。それにも関わらず、ITツールを導入しただけで満足してしまい、ゴールと勘違いしている企業が多いようです。ITツールを使って業務改善を行うためには、スムーズに活用できるよう、導入後も継続的に監視を行いながら、現場に定着させる必要があります。その間には、さまざまな問題が起こるでしょうし、ツール導入によって新たな工数が発生していたりもします。これらを統率する組織体制を作っておかないと、ITツールの定着は困難になります。
IT化の目的は、企業によってもさまざまです。明確なゴールや目的を設定せずに導入してしまうと、どんなに便利なツールでも本来の効果を発揮できなくなります。ITツールを導入する以前に、現状の自社の課題、それに対する目標、過程の進捗を追うための指標を設定することが重要です。またこれらの内容は、現場の社員を含めた社内全体でしっかりと共有する必要があります。
ITツールを導入しても業務効率化ができていない原因には、全体の最適化ができていないケースも考えられます。例えば、社内全体にはグループウェアを導入し、サポート部門にはコールセンターシステム、マーケティング部門にはMAツール…といった具合に、特定の業務に応じたITツールを個々に導入する企業も多いでしょう。
その結果、部分的な最適化はできているものの、全体設計ができていないがために部署間で情報共有を行うための書類を作成するなど、工数が増大していることがあります。このような場合、全体の最適化を行わないと、構築した仕組みが足かせとなってしまいます。
IT化は、主に既存業務の効率化を目指すものです。一方、その先にあるのが「DX」であり、IT技術の活用によるビジネスモデルの変革を目指します。DXは単に「作業時間が減る、特定の業務を自動化させる」といった変化ではなく、「デジタルを通じて根本的な運用方法を変える」といった、社内全体に利益をもたらす大きな変化を生みます。つまり、IT化とDXの関係性は手段と目的ともいえるのですが、実際にはIT化で留まり、その先に進めていない企業が多いのではないでしょうか。ITツール導入の目的自体は、作業時間の短縮でも構わないのですが、その先のゴールを見失うと、利益を生まないIT活用となってしまいます。
IT化の目的を明確にするには、無駄な業務の洗い出しと、各部門が果たすべきコア業務の見極めが欠かせません。まずは社内の業務プロセスを視覚化し、自社の課題を正しく認識するところから始めましょう。
市場には業務ごとにさまざまなITツールがあり、目移りしてしまうものですが、計画性なしに次々とITツールを導入していると、無駄な工数が増えるなどの失敗を招きます。ツールは個別に導入するとしても、事前に長期的なゴールを設定し、全体設計を行うことが大切です。
ITツールの導入後は、問題が起こっていないか、ツールの活用が定着するまでマネジメントを行う必要があります。ITツールの導入を計画する段階で、マネジメントを行う担当部署も決めておきましょう。
課題抽出、ツールの選定、全体の最適化、導入後のマネジメントなど、全てを自社で行うのが難しい場合は、外部のコンサルティングを利用するのがおすすめです。「ツール導入のためだけにコンサルを依頼するのはもったいない」という気もしてしまいますが、コンサルを利用することで、自社では行えない詳細な分析や、全体設計を含めた包括的なサポートが受けられる価値があります。コンサル会社によってサービス内容はさまざまなので、自社に合った会社を選びましょう。
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