業務効率化のために、デジタル化を推進するサービスがあります。この記事では、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた導入ステップや、事例などを解説します。
従来アナログで行われていた業務をデジタル技術に置き換え、効率的かつ柔軟な運用体制を実現する取り組みのことです。「デジタライゼーション」と呼ばれ、業務のスピード向上や人的ミスの削減、遠隔対応の柔軟性を生み出し、コスト削減や生産性の向上といった効果も期待できます。
類似するものに「DX化」があり、こちらは組織文化・業務構造・サービスモデル全体に変革をもたらす戦略的アプローチを指します。業務のデジタル化は、DXの入口に位置づけられる段階。業務フローの設計や組織運営に影響を及ぼす可能性があるため、デジタライゼーションは中長期的な視点での企業競争力強化にもつながります。
経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」(※)により、「2025年の崖」という問題が広く知られるようになりました。レガシーシステムが温存されたままデジタルトランスフォーメーション(DX)が進まない場合、2025年以降に年間最大12兆円もの経済損失が生じる可能性があるという警鐘です。
背景には、事業部門ごとに構築されたシステムの複雑化やブラックボックス化があり、全社横断的なデータ活用が困難な現状があります。経営層が変革を望んでも、現場の理解不足や抵抗によって進行が妨げられることも珍しくありません。これらの障壁を乗り越え、新たなビジネスモデルの創出を実現するためには、計画的かつ全社的なDXの取り組みが必要です。
以下では、DX推進を成功に導くための5つのステップをご紹介します。
重要な点は、「なぜDXに取り組むのか」という目的を明確にすることです。具体的なビジネス変革の方向性を明示することで、社内の意識統一が図れます。
自社の業務プロセスやシステム環境を棚卸しし、現状の課題を洗い出します。属人化した業務や複数部門にまたがる非効率な手続きなど、DXによって解決できる課題を定量的に把握することがポイントです。
課題が明らかになったら、それを解決に導くための社内体制を整備します。プロジェクトマネージャー、エンジニア、アナリストなどの体制を構築することに加え、必要に応じて外部パートナーの支援を受けることも選択肢となります。
すべての課題を一度に解決するのは現実的ではありません。影響度や緊急度などをもとに施策の優先順位を設定し、段階的に取り組む必要があります。スモールスタートで成果を可視化しながら拡張していくアプローチは、関係者の納得感を高めるうえでも有効です。
DXは一度実施すれば終わるものではなく、継続的な改善が前提となります。導入したシステムや業務プロセスについて定期的に見直し、改善点を洗い出すためにPDCAサイクルを回すことが重要です。
ある企業では社内のIT人材が不足しており、日常業務が滞るほか、業務改善の取り組みも思うように進まないという課題を抱えていました。一部を外部に委託したいというニーズがあったものの、1人月単位での契約では成果が見えづらく、予算との整合も取りづらい状況でした。
こうした背景を受け、「実績精算方式」による段階的な支援を提案。現状の業務課題をヒアリングし、優先的に取り組むべきテーマを明確にしました。KPIを設定し、クライアントと進捗状況を共有する体制を整えることで、取り組みを可視化できています。
稼働時間に応じて費用を精算する「実績精算方式」を導入したことで、業務量の変動にも対応でき、無駄のないコスト管理が可能になりました。限られたリソースの中でも継続的な業務改善を進め、品質向上とスピードアップの両立を実現しています。
長谷工コーポレーションでは事業の拡大に伴い、経理・購買を担う基幹システムの限界が課題でした。
長年にわたり機能を追加・使用し続けたことで複雑化したうえに、システムの保守期限の終了も重なり、「imforce建設業統合基幹モデル」の導入を決定。
NTTデータビジネスシステムズは、裏側の業務ロジックはパッケージ標準を活かしつつ、現場が操作する購買システムの画面は旧システムに近いUIで開発。
従来必要だったバッチ処理が不要になり、最大で2時間もの作業時間が短縮しています。東京・大阪の2拠点での業務共通化も進み、作業の標準化による効率化が実現しました。決算時期にはNTTデータビジネスシステムズの技術者が常駐して支援を行い、安定した運用が行えています。
各部署で業務が属人化しており、業務内容の多くが社員個人の記憶やローカルデータに依存していました。情報共有が十分に行われていない、書類は紙ベースで管理されていない状況で、検索や承認に時間と手間を要していました。
TOMAコンサルタンツの支援を受け、業務棚卸と業務フローの再構築が行われ、業務の全体像を「見える化」。業務の重複や非効率が明確化し、不要な業務の削減や効率化が進められました。振込状況の確認アプリ、営業資料の共有・見積書作成アプリなどを構築したことで、業務が大幅にスピードアップしています。
業務のデジタル化に向けたDX化の推進は、社内の課題とリソースに合わせた方法を選択することが重要です。業種・職種によって異なるだけではなく、社内の部署によっても方法は異なります。
下記のページでは「経理部」「人事部」「総務部」といったバックオフィス業務を得意とする業務改善コンサルをピックアップしています。ぜひチェックしてみてください。
業務改善を進めるにあたっては、自社の課題や体制に合った支援パートナーの選定が重要です。ここでは、部署別の業務課題に対応し、アウトソーシングも含めた柔軟な支援が可能な業務改善コンサル会社をご紹介します。

経理部門のアウトソーシングを35年※1継続し、顧客満足度85.5%※2と質の高いサービスを提供。
ITコーディネータが17名在籍※3。業務のボトルネックを可視化し、独自ツールの開発を含めて課題解決まで伴走支援。

3,000社以上※4の人事プロジェクト経験があり 、採用・労務・組織管理をトータルでサポート。
AI開発企業との協業により、面接支援や応募者スクリーニングなどをAIで自動化。評価のばらつき低減にも貢献。

総務領域で25年※1の実績を誇る。属人化・ブラックボックス化した業務を可視化し、効率化に導く。
総務にとどまらず、組織全体の支援に対応。突発的なタスクにも、常駐・スポット対応など柔軟な体制で支援可能。