総務の業務改善について

目次

総務の業務改善は、属人化の解消や定型業務の効率化、適切なリソース配分といった視点を持つことが大切です。

この記事では、総務部門によくある課題とその解決方法、実践しやすい改善策や外部の支援活用、実際の成功事例について紹介しています。

総務業務はDXや
効率改善できる?

総務部門の業務改善は、「どこから手をつけていいのかわからない」という段階でも、まず業務の流れを可視化することで課題の所在が明確になり、改善すべきポイントが見えてきます。

属人化や重複作業のムダが浮き彫りになり、「まずここから変えよう」という具体的な道筋が見えてくるはずです。

さらに、ITツールを取り入れれば、今まで特定の人にしかできなかった業務が標準化され、共有・自動化が可能に。アウトソーシングやRPAを活用することで、定型業務の負担を減らし、限られたリソースを本来注力すべき戦略業務に振り向けることもできます。

総務の改善は、大がかりな改革でなくても、まずは"見える化"から始めることで、確実に前進できるでしょう。

総務業務によくある課題

担当範囲の広さと突発対応の負荷

備品管理や社内イベント、来客応対など、幅広い業務に日々追われるなかで、本来取り組むべき業務が後回しになってしまうことは少なくありません。

まずは業務の全体像を整理し、対応の優先順位や分担ルールを明確にすることで、業務の平準化が可能になります。

慢性的リソース不足と
人材定着の問題

多くの業務を限られた人数でこなす体制が続くと、疲弊やミスのリスクが高まります。さらに、総務の仕事は専門性が見えにくく、やりがいや成長の実感を得づらいため、人が育ちにくく定着もしにくいという課題も。

負荷の大きい定型業務はアウトソーシングやRPAで切り分けましょう。社内メンバーがより価値の高い業務に集中できる環境を整えることが定着率の向上につながります。

属人化・ブラックボックス化の
リスク

特定の担当者しか分からない業務があると、引き継ぎや急な休職時に対応できなくなり、業務が止まる恐れがあります。

担当者の判断や手順が共有されていないと、全体の業務内容が把握されにくく、改善や再設計も進みません。業務手順の標準化と情報共有の仕組みをつくることで、誰が行っても同じ品質を保てる体制が実現できます。

定型業務負担と成果が
見えづらい評価

日常的に発生する定型業務は、ミスがなくて当然とされやすく、成果として認識されにくい傾向があります。

業務量は多いのに評価が得られにくいため、やりがいを感じづらく、担当者のモチベーションも上がりません。自動化や外部委託によって定型業務の負荷を減らし、改善提案や業務設計など成果が可視化されやすい業務に注力できる環境づくりが求められます。

多様な働き方への未対応

テレワークや時差出勤など働き方の選択肢が増える中で、紙による申請や電話中心の対応など、従来のアナログな業務フローが足かせになる場面は少なくありません。出社しないと処理できない業務があることで、柔軟な働き方を阻害し、特定の人に負担が集中することもあります。

業務のデジタル化やクラウド活用によって、どこからでも対応可能な仕組みを整えることが、これからの業務体制に不可欠です。

コスト削減プレッシャー

間接部門である総務には効率化やコスト削減が常に求められますが、業務量そのものが減るわけではありません。人員を増やせない中で現場にしわ寄せが集中すると、作業の質やスピードに影響が出る恐れもあります。

まずは業務の優先順位と役割分担を見直し、必要な業務とそうでない業務を明確に分けることが重要です。そのうえで、アウトソーシングや自動化を活用することで、無理なくコストと業務品質のバランスを保つことができます。

総務業務を改善する方法

業務の可視化で課題を洗い出す

備品発注、会議室管理、社内イベント運営、来客対応など、日々の業務が属人的に進められていると、全体像を把握しにくく、改善の優先順位が見えづらくなります。

まずは業務を洗い出し、作業時間や関与人数、頻度などを見える化することで、負荷の偏りや重複作業といった非効率が明らかになります。

可視化は、業務設計の見直しや役割分担の最適化につながる出発点です。

ITツール導入と自動化で
効率を飛躍的に向上

勤怠管理、社内問い合わせ、稟議書や契約書の確認・保管、名刺管理、郵便物の仕分けといった業務は、ITツールやRPAを活用することで大幅な効率化が可能です。

紙やExcelでの管理から脱却し、クラウドツールに移行することで、情報の一元管理や社内共有が進みます。繰り返しの多い業務は自動化との相性が良く、定型処理の負担軽減とミス防止を同時に実現できます。

アウトソーシング/BPOによる
業務負担の軽減

来客受付、郵便・宅配物の対応、電話取次、備品在庫管理、各種庶務など、業務の性質によっては外部委託の方が効率的な領域があります。

BPOを活用することで、社内担当者は文書管理や契約書の精査、社内制度の設計といった本来注力すべき業務に集中することが可能です。業務の切り出し方次第で、限られた人材をより戦略的に活用できます。

プロセスの見直しで無駄を排除

プロセスを見直すことで、申請や承認の手順を短縮したり、無駄な確認作業を減らしたりすることができます。

たとえば、備品発注を紙からオンライン申請に変えるだけでも、時間と手間を大きく減らせます。業務の流れを一つずつ見直していくことで、日常業務のムダや負担を解消し、スムーズに進められる体制づくりが可能になります。手間が多い、時間がかかると感じる業務こそ、見直しのチャンスです。

マニュアル整備・ナレッジ共有で
属人化防止

文書管理、名刺整理、契約書保管、社内問い合わせ対応、イベント準備などの業務は、手順が人によって異なることが多く、引き継ぎ時に混乱を招きやすい領域です。

マニュアルや運用ルールを明文化して共有することで、業務品質が安定し、属人化リスクを軽減できます。日常的なナレッジの蓄積・共有を仕組み化すれば、教育負担の軽減にもつながります。

コンサルティング活用で
専門知見と改革力を導入

業務改善に着手したくても、何をどこから始めればいいか分からないケースは少なくありません。備品管理や防災対策、イベント運営など、各業務の実態に応じた改善には専門的な視点が必要です。

コンサルティングを活用すれば、現状分析から施策の選定、ツール導入やアウトソーシング計画まで、具体的な実行計画を立てた支援が得られ、改革を無理なく進めることができます。

総務業務に適したコンサル会社の選定

総務業務の改善は、まず業務の可視化から始めることが重要です。備品管理や来客対応など日々の業務を整理することで、ムダや偏りが見え、改善の方向性が明確になります。そのうえでITツールやアウトソーシングを活用すれば、効率化と戦略業務への集中が可能になります。

とはいえ、自社だけで業務全体を把握し、改善を設計・実行するのは簡単ではありません。当メディアでは、総務をはじめとした各部署の課題に応じたコンサルティング会社を紹介しています。最適な支援先を見つける参考として、ぜひご活用ください。

総務業務の改善事例

制度と業務を整え、
総務の基盤を再構築

東西産業貿易では、総務部が担う人事制度運用や基幹業務の整備に課題を抱えていました。

従来の属人的な制度と業務を見直し、評価制度の再構築とシステム刷新を同時に支援。業態に合わせた設計と、部門間の連携を意識した運用設計により、総務部の業務が体系化され、役割が明確化しました。

業務の属人化が解消され、全社横断の人事・労務基盤として機能する体制が整った事例です。

※参照元:TOMAコンサルタンツグループ(https://toma.co.jp/interview/tozaisangyoboeki/

新オフィス移転を支える
運用ルールを設計

SBSホールディングスでは、1,500人規模の統合オフィス移転に際し、社内に移転経験者がいない中で、業務の優先順位整理と運用ルールの整備を実施。

サービスカウンターの設計やマニュアル作成、ロッカー・備品管理の仕組み構築を通じて、混乱なく新オフィスでの業務を開始できる体制を整えました。また、総務部門の負荷軽減と、社員の安心感あるオフィス運用を両立させた点が大きな成果となっています。

【部署別】
アウトソーシングにも対応
業務改善コンサル会社3選

業務改善を進めるにあたっては、自社の課題や体制に合った支援パートナーの選定が重要です。ここでは、部署別の業務課題に対応し、アウトソーシングも含めた柔軟な支援が可能な業務改善コンサル会社をご紹介します。

経理部の業務改善
ブラックボックス化した
属人化・非効率業務
ITの力で解決
アルファテックス
アルファテックス
画像引用元:アルファテックス公式HP
https://www.alfa-teccs.co.jp/
解決可能な主な業務
伝票・決算書作成
帳簿・仕訳記入
経費精算
債権・債務
人材不足
DX推進
実績

経理部門のアウトソーシングを35年※1継続し、顧客満足度85.5%※2と質の高いサービスを提供。

強み

ITコーディネータが17名在籍※3。業務のボトルネックを可視化し、独自ツールの開発を含めて課題解決まで伴走支援。

人事部の業務改善
標準化しにくい採用・評価業務
AI活用で解決
トライアンフ
トライアンフ
画像引用元:トライアンフ公式HP
https://www.triumph98.com/
解決可能な主な業務
新卒・中途の採用
面接
人事評価
労務管理
実績

3,000社以上※4の人事プロジェクト経験があり 、採用・労務・組織管理をトータルでサポート。

強み

AI開発企業との協業により、面接支援や応募者スクリーニングなどをAIで自動化。評価のばらつき低減にも貢献

総務部の業務改善
頻発する突発業務
組織改善で解決
ゼロイン
ゼロイン
画像引用元:ゼロイン公式HP
https://www.zeroin.co.jp/soumuservice/
解決可能な主な業務
社内の問い合わせ対応
承認
資産管理
実績

総務領域で25年※1の実績を誇る。属人化・ブラックボックス化した業務を可視化し、効率化に導く。

強み

総務にとどまらず、組織全体の支援に対応。突発的なタスクにも、常駐・スポット対応など柔軟な体制で支援可能。

※1 2025年5月1日時点
※2 2024年2月時点 参照元:アルファテックス公式HP(https://www.alfa-teccs.co.jp/news/1091/)
※3 2025年5月1日時点 参照元:アルファテックス公式HP【PDF】(https://www.alfa-teccs.co.jp/alfa-teccs_cms/wp-content/uploads/2025/05/ALFA_TRENDS_202505.pdf)
※4 2025年5月1日時点 参照元:トライアンフ公式HP(https://www.triumph98.com/feature/)
部署別
業務改善
コンサル会社
3