※本記事は令和8年度(2026年度)の業務改善助成金の情報をもとに作成しています(最終確認日:2026年7月)。制度の要件・金額は年度ごとに変わるため、申請前に必ず厚生労働省の最新の交付要綱・要領をご確認ください。
業務改善コンサルの導入を検討する中で、「費用がネックで稟議が通しにくい」と感じている方は多いはずです。ここで押さえておきたいのが、業務改善助成金はコンサルティングの導入費用も助成対象になるという点です。
ただし、助成を受けるには事業場内最低賃金の引き上げなど一定の要件を満たす必要があります。この記事では、令和8年度の要件・3つのコース・申請の流れと注意点を整理し、賃上げとセットで業務改善コンサルの費用負担を抑える方法を解説します。
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その費用の一部(最大600万円)を助成する制度です。厚生労働省が所管しています。
ポイントは、「賃上げ」と「生産性向上のための投資」がセットになっている点です。単に設備を買ったりコンサルを入れたりするだけでは対象になりません。事業場内最低賃金の引き上げ計画と、設備投資等の計画の両方を立てて申請する仕組みです。
流れとしては、①事業場内最低賃金の引上げ計画と設備投資等の計画を立てて申請 → ②交付決定 → ③計画どおりに事業を実施 → ④結果を報告 → ⑤費用の一部が助成金として支給、となります。
厚生労働省の案内では、助成対象となる設備投資等の経費区分として、機器・設備の導入やシステム化とならんで「経営コンサルティング」が明記されています。具体例として「国家資格者による、顧客回転率の向上を目的とした業務フロー見直し」が挙げられています。
つまり、業務の可視化やフロー見直しといった業務改善コンサルの費用も、生産性向上に資する内容であれば助成対象になり得るということです。費用がネックだった企業にとって、負担を大きく抑えられる可能性があります。
一方で、何でも対象になるわけではありません。次のような経費は助成の対象外です。
あくまで「生産性向上に資するかどうか」が線引きの基準になります。コンサルを依頼する際は、支援内容が生産性向上につながるものであることを明確にしておくとよいでしょう。
次の3つをすべて満たす中小企業・小規模事業者が対象です。
令和8年度は、事業場内最低賃金の引き上げ額に応じて50円・70円・90円の3コースに分かれています。引き上げる労働者数と事業場規模によって、助成上限額が変わります。
| コース | 引き上げる労働者数 | 30人未満の事業者 | 左記以外の事業者 |
|---|---|---|---|
| 50円コース | 1人 | 30万円 | 40万円 |
| 2〜3人 | 40万円 | 70万円 | |
| 6〜7人 | 90万円 | 90万円 | |
| 70円コース | 1人 | 40万円 | 50万円 |
| 2〜3人 | 50万円 | 100万円 | |
| 8人以上 | 230万円 | 230万円 | |
| 90円コース | 1人 | 90万円 | 100万円 |
| 2〜3人 | 150万円 | 240万円 | |
| 10人以上(特例) | 600万円 | 600万円 |
※上記は代表的な区分の抜粋です。全区分は厚生労働省の案内でご確認ください。10人以上の区分は、特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に対象となります。
助成率は、申請事業場の事業場内最低賃金の水準によって変わります。
実際に支給される金額は、「設備投資等にかかった費用×助成率」と「コース区分の助成上限額」を比べ、いずれか安いほうの金額になります。
ここで最も注意すべきは、交付決定前に導入・支払いをした費用は助成対象にならないという点です。「先にコンサル契約を進めてしまってから申請」という順序では対象外になります。必ず交付決定を待ってから契約・支払いに進んでください。コンサル契約のタイミング設計に直結する重要ポイントです。
令和8年度は、前年度から要件が引き上げられ、制度が厳格化されています。主な変更点は次のとおりです。
そのほか、申請時の注意点として次を押さえておきましょう。
申請可否の個別判断や複雑なケースについては、管轄の都道府県労働局や社会保険労務士に相談するのが確実です。当メディアでは申請代行は行っていません。制度の詳細は厚生労働省の公式ページをご確認ください。
助成金を使ってコンサルを導入する場合、順序が重要です。次の流れを意識してください。
コンサルの費用感をつかんでおくと、計画が立てやすくなります。料金体系別の相場は業務改善コンサルの費用相場で確認してください。予算の見通しが立ったら、自社に合うコンサル会社を比較検討しましょう。
対象になりません。交付決定前に導入・支払いをした費用は助成対象外です。必ず交付決定を待ってから契約・支払いに進んでください。
過去に活用した事業者も対象になりますが、同一事業所の申請は年度内1回までです。また予算の範囲内での交付となるため、申請期間内でも早期に募集が終了する場合があります。
生産性向上に資する内容であることが条件です。単なる経費削減や職場環境改善のための費用、通常の事業活動に伴う費用は対象外です。支援内容が生産性向上につながるものかを事前に確認しておきましょう。
業務改善助成金は、生産性向上に資するコンサルティング費用も助成対象に含まれ、事業場内最低賃金の引き上げとセットで最大600万円まで助成を受けられる制度です。令和8年度は50円・70円・90円の3コースに再編され、要件も厳格化されています。
最大の注意点は「交付決定前の支払いは対象外」であること。賃上げ計画→コンサル選定→交付申請→交付決定後に契約、という順序を守れば、費用負担を抑えながら業務改善を進められます。まずはコンサルの費用感をつかみ、自社に合う会社を比較することから始めましょう。
業務改善を進めるにあたっては、自社の課題や体制に合った支援パートナーの選定が重要です。ここでは、部署別の業務課題に対応し、アウトソーシングも含めた柔軟な支援が可能な業務改善コンサル会社をご紹介します。

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