普段仕事をしている中で、無駄だと感じることや「何でこんなことをしているんだろう?」と思うことはないでしょうか。ここではそういった無駄や不効率な業務の改善を支援する業務改善コンサルについて、サービス内容やメリット・デメリットを紹介します。
業務改善コンサルティングとは、その名の通り業務の改善を支援するコンサルティングをいいます。では業務の改善とは具体的にどういうことを意味しているのでしょうか。企業経営を行っていくうえにおいてはさまざまな業務プロセスがあり、オペレーションも含めたさまざまな活動により収益を獲得していくことになります。しかしこの業務プロセスやオペレーションなどの活動については、必ずしも最善の方法・手段で行われているかというと一概にそうはいえません。実際、仕事をしているうえで「無駄だ」とか「何故この業務をしなければならないのか」と感じたことはあるのではないでしょうか。
業務改善コンサルティングは、そういった業務プロセスやオペレーション上の問題・課題を可視化し問題点の抽出を行います。そしてそれを踏まえて最適な業務フローが構築できるようサポートするコンサルティングサービスを提供します。客観的な視点からクライアントに関与し、第三者として「何をどうすれば改善に繋がるのか」のアドバイスを行うのが業務改善コンサルです。
働く人々はマニュアルや先輩の指導を受けたりしながら普段の業務を覚えていき、ルーティンワークをこなしていきます。それが当たり前の仕事であり教えられたものである場合、多くの方は前任者やその部署のルールに則って業務を行うでしょう。業務改善コンサルはこの所与となっている状況をそもそも疑ってかかります。そのため現状の業務プロセスやオペレーションをまず可視化し、業務の棚卸も含めて整理を行います。
業務プロセスやオペレーションが可視化出来たら、その中のどこに問題や課題があるのかを抽出します。当然課題にもリスクの大小がありますから、よりリスクの大きいものから問題提起を行います。場合によっては他の業務も滞らせるようなボトルネックになっている業務が見つかるかもしれません。社内の人間であれば他部署に気を使って言い出せないようなことも、第三者の視点として指摘しながら問題点や課題点を認識するように促します。
問題点や課題点を炙り出すだけではコンサルティングとはいえません。コンサルティングはクライアントを導く仕事ですから、抽出した問題や課題に対する提案・提示を行います。また、場合によってはクライアントのみでその課題解決策の実行が難しい場合、その実行を支援することもあります。また、予定と実績の対比も含めた進捗管理に加え、実際にその改善によってどのような効果が得られたかという効果測定を行うこともあるでしょう。
自社内でこういった改善を行おうとすると、勤続年数の長い従業員からの反発などアレルギー反応が想定されます。それを社内の人間が指摘して実行しようとすると更なる反発が起こる可能性もあり、なかなかうまく進まないことも多いでしょう。そこで外部専門家として業務改善コンサルを入れることで、「コンサルが言っているから」という枕詞を置きながら改善を推し進めることができます。
業務改善コンサルはその道のプロですから、多くの業界でさまざまな課題を解決しているでしょう。そのため自社でそのサービスを受ける場合、過去の経験も踏まえた提案が受けられるため業務改善に係るさまざまなノウハウを会得することが期待できます。また、こういった改善に関する話は特定の事例だけでなく色々な場面に応用できることもあります。
「やらなければならない」と分かっていてもなかなか着手できない・進められないというケースも多々あるでしょう。そういった場合には外部専門家として「あれができているか」「これは着手しているか」など進捗について確認してもらいながら実行支援を依頼するのも一つです。こういったサポートを受けながら進めることで、確実に変化を起こすことに向けた動きを取っていくことが可能になります。
中長期的に見ると業務改善に伴うコスト減少で効果はプラスに振れるでしょうが、第三者の専門家に関与してもらうという状態は当然ながらコストがかかります。実行支援に関する業務を依頼する場合であればさらにランニングコストがかかることになりますので、どの手段を取るのが最も経済合理的なのかは検討する必要があります。
コンサルタントも人間ですから、それぞれに能力があります。一定のマニュアルがあったとしてもやはり最終的には担当者が人間として業務にあたりますので、相性も含めて必ず成功するとは限りません。しかしながら業務提供を受けた段階で対価の支払い義務は発生しますので、結果としてお金がかかったものの何も変わらなかった、となってしまうリスクはあります。
うまくコンサルタントの指導を吸収できる人材が社内にいる場合、応用も含めてさまざまな知見やノウハウが蓄積されていくでしょう。しかし「言われたことだけやる」ような人ばかりの組織である場合、常に指示を受けなければ効率的な業務ができず、せっかくの知見やノウハウが溜められない可能性もあります。そうなると半永久的にコンサルのお世話にならなければならず、コストがかかり続けてしまいます。
コンサルタントへの報酬は一般的にプロジェクト的な単発案件としての報酬と月額での顧問報酬の2パターンがあります。ただし、単発案件としての対応であっても稼働月数によって報酬が変わりますから、実質的には1か月あたりいくら、という感覚の報酬水準になるでしょう。この報酬水準についてはコンサル会社の規模や関与する人数、そしてクライアント側の規模の大きさや業務の複雑さによっても変わると思いますが、一般的には100万円から200万円くらいが1か月あたりの報酬といわれています。
実際にかかる金額は先に述べた通り稼働月数や関与する人数などの要素によっても変わってきますので、事前にどういった業務を誰がどれくらいの期間対応する想定になるのかをしっかりと確認しておきましょう。
コンサルの誤った使い方の一つに「丸投げ」があります。全てをコンサル会社に丸投げして、言われたことだけやる・・・というような受動的なパターンでは、改善効果も薄く社内にノウハウが溜まらない可能性が大きいです。コンサルは高額な報酬を支払って業務の提供を依頼するわけなので、自社からどんどん能動的に「使って」いくことが重要です。どんどん自分たちから相談を投げかけ、改善行動のブラッシュアップを重ねていきましょう。
前述の通り、コンサル会社に依頼するといっても対応するのは担当者です。この担当者がどれだけ優れた能力を持っていたとしても、コミュニケーションがうまくとれないと改善も成功しないでしょう。これは相性もありますから、提案段階で担当者がどのような方なのかをじっくり見極めるようにしましょう。人間が対応する以上、合う合わないもあるため注意が必要です
コンサルティングの提供内容は基本的にケースバイケースですから、内容・費用についても案件毎に違います。費用をかければかけるほど融通は利くでしょうし、抑えれば抑えるほどシンプルなサービス提供になるでしょう。自社でどの程度のサービスレベルを求めるかもしっかりと目線を決めたうえで、柔軟に対応してくれるコンサル会社かどうかを見極めて依頼するようにしましょう。
自分が所属する企業の業務・経営に課題があると感じている経営者・役員のうち、 「これまで業務改善・経営課題解決についてコンサルタントに相談したことがある」という51名の方を対象にアンケート調査を実施。 そのコンサルタントを選んだ理由を質問したところ、多かった回答は「コンサルティング実績(21.6%)」、「提案力(19.6%)」、「業界の知識・ノウハウ(17.6%)」というものでした。
業務改善コンサルを依頼する場合、業界や課題の内容によって適したコンサルが異なってきます。コンサル選びの際には、ぜひこういったデータも参考にしてみてください。
コンサルティング実績 | 11 | 21.6% |
---|---|---|
提案力 | 10 | 19.6% |
業界の知識・ノウハウ | 9 | 17.6% |
関係性 | 8 | 15.7% |
その他 | 5 | 9.8% |
費用 | 4 | 7.8% |
コンサルタントとの相性 | 3 | 5.9% |
対応領域・得意分野 | 1 | 2.0% |
中小企業の業務改善への「実績が豊富」にあり、「無料相談」に対応可能、経営視点にたった「財務コンサルティングにも対応」できるおすすめの3つのコンサルティング会社を紹介します。
【選定基準】Googleで「中小企業 業務改善 コンサル」と検索し、上位に表示された25社の内、3つの条件に該当した3社を紹介。・公式サイトにコンサルティングの実績の記載がある・無料相談に対応・財務コンサルティングが可能なコンサルティング会社を選定。(2022/4/26調査時点)